ボクシングのクリンチングの方法をまとめました。
クリンチングは重要な戦術?
ボクサーが試合中に抱きついたり、体を押しあって、こう着状態になることをクリンチングと言います。
この状態になると、お互いに密着して攻撃することができません。
そのため、プロの試合を見ているファンにとっては、退屈に感じてしまう人が多いかもしれません。
ただ、ボクサーにとっては、実は疲れ切った体に休息を入れてくれる「救いの場」になります。
パンチをミスしたり、バランスをくずして倒れそうになった時は、自分の安全を守るために、相手の体にもたれて、クリンチに逃げることが可能です。
経験豊富で有能なボクサーは、無駄な力を使わずに、巧妙に休息する試合逃避の手段として、クリンチを使います。
こうなると、もはや試合戦術における巧妙なテクニックのひとつと言えるでしょう。
クリンチングの方法
クリンチングの方法は、インファイトと同じように、相手と接触する瞬間に、すばやく自分の両手を相手の両脇に差し込む事です。
両手をインサイドに突っこんだら、横に開くようにして、左手で相手の右二頭筋あたりを内側から押し上げます。
それと同時に、右手は相手の左ヒジにからませて、自分の右脇の下に抱え込む形です。
そして体を右にまわしながら、体重を相手の右手にかけます。
この姿勢で審判のブレークを待つようにしてください。
この時に、相手がクリンチを振りほどこうとしたら、相手の左手を軸にして、前方に押しつけて振りまわせば、相手のバランスをくずすことが可能です。
つまり、相手のインサイドに入って、両手で相手の手を自由に奪うことが必須条件になります。
相手の右脇に差し込んだ左手で二頭筋を押し上げるようにすれば、自分の攻撃も不可能ですが、相手の攻撃も防ぐことが可能です。
最後に
本来はフットワークを使って、旋回しながら疲労の回復をはかりますので、できるだけクリンチは避けたいものです。
相手に力まかせに抱きついたり、押しまくるのではなく、やむをえない場合に限って、あわてずに相手のインサイドに入って、スムーズな流れの中でクリンチングの体勢に入ることが理想です。
そして一度クリンチしたら、相手に密着して、なるべく体力を消耗させないように、レフリーのブレークの命令を待つようにしましょう。