ボクシングのカウンターの打ち方や、練習で意識するポイントなど、まとめました。
逆転KOが狙えるカウンター
ボクシングの試合では、色々なKOシーンがありますが、その中でも一番強烈な印象を与えるのは、カウンターパンチによるKOでしょう。
リング上で、2人のボクサーが激しい攻防を繰り広げて、あざやかなカウンターが決まってKOで決着がついた瞬間、見ている人に強烈なインパクトを与えます。
例えば、パンチ力を武器にするハードパンチャーが試合開始から主導権を握って、優勢の状態が続くとします。
そんな中、優勢だったパンチャーが相手のカウンターパンチをくらって、がっくりとひざを曲げて倒れた瞬間を想像してみてください。
こんな逆転の一撃を実現できるのは、カウンターならではの事です。
そしてボクシング技術の花といわれる所以でもあります。
カウンターの威力が大きい理由
カウンターパンチを打ったボクサーの右ストレートはそれほど意気込んだものではありません。
それなのに、一撃でKOを成し遂げた事には理由があります。
前例では、パンチャーがアゴを狙って左フックを打とうとした事に対して、右ストレートでカウンターをヒットさせたわけですが、弧を描きながら打つ左フックに対して、真っ直ぐ一直線に打つ右ストレートの方が、パンチの軌道上、相手との距離が短くなります。
そのため、右ストレートが相手より先にヒットする形になりました。
また、相手は意気込んで左フックを打とうとして、重心が前に乗った状態でした。
つまり相手の突進する力が、カウンターの攻撃力を倍増させる結果になったわけです。
相手の左フックに対して、距離の面で有利な右ストレートでタイミング良く打ったこと、そして相手の突進する力が逆にカウンターの破壊力を増やしたことが、逆転KOを実現した理由です。
カウンターを習得するには
カウンターがこんなに便利な武器なら、カウンターだけ習得して試合をしたら「誰でも勝てる」と考える人もいるかもしれません。
しかしカウンターを習得するのは簡単ではなく、ボクシング技術の中でも難しい高等技術になります。
一朝一夕でどうにかなる技術ではありません。
カウンターを習得するためには、基礎技術をコツコツ磨き上げるような、トレーニングの積み重ねが大切です。
カウンターを練習する時期は、一通り攻撃と防御の基本技術を身につけた後で、総合的な動きがスムーズにできるようになり、さらに左右連打のコンビネーションのトレーニングを開始した時期に並行して行うのが理想です。
カウンターの打ち方とコツ
連打攻撃とカウンターの関係を研究すると、カウンターの種類の数は膨大です。(おそらく700種類以上)
つきつめると、それだけカウンター攻撃の可能性があるわけですが、ここでは基本的な種類を紹介します。
相手が左ジャブを打ってきた時に、右手を開いてブロックして、逆に左ジャブを相手の顔やアゴに打ち返します。
練習方法は、スローなペースでスタートして、動きに慣れてきたら、徐々にスピードをあげて練習するようにします。
代表的なカウンターの一種です。
基本姿勢から左足を前方に一歩踏み出して、体重を左足にかけて、相手の左ジャブを右肩の上に流すようにスリップします。
相手の左ジャブをスリッピングしながら、自分の右フックを相手の左腕越しにアゴへ打ち込みます。
練習方法は、スパーリング相手と打ち手、受け手を交互にやりながら、スローなペースから徐々にスピードを上げて練習するようにします。
この左ジャブが顔面に届くギリギリのところで、すばやく上体を右に移動しながら、左足を相手の左足の外側に踏み出します。
右前方にサイドステップした形です。
そして同時に左フックを、ボディーや、みぞおちに打ち込みます。
最後に
カウンター攻撃は、相手のパンチをどのように引き出して、どうさばくかがポイントです。
防御も大事ですが、攻撃するタイミングも大事ですので、総合力が必要な高等技術になります。
ボクシングの総合力を身につけるには、基礎練習を積み重ねることが一番効果的です。